複素対数関数
複素対数関数
は,の偏角を返す関数です.
ですが,一般に複素数は偏角を増やしたり,減らしたりしても元の複素数と変わりません.
つまりの偏角は?と聞かれても,答えは無限個あります.
正確に言うと,の解はの自由度があるということです.
ということは,冒頭の複素対数関数は無限個の値を返すことになります.
このような関数を多価関数と呼びます.
では,なぜ対数関数の複素数バージョンは,こんなにも扱いにくそうな形になってしまうのでしょうか.
導出
複素対数関数の定義は,以下のように考えるのが自然です.
とすると,
という等式について,絶対値と偏角を比較しましょう.
なので,両辺対数を取って,
よって
以上より,